【SIAM1928】
One Last Kiss — 禁じられた口づけの物語

Spooky Punkの世界の果て、Little BatzyとSee-Ewのあとを追うように、もうひとりの影が漂う。彼女の名は「クラースエ」。
光を放つ頭部と、宙をたゆたう内臓だけを残した幽玄の存在。
決して触れられない温もりを求め、永遠に彷徨う彼女は、かつて人間の男を愛してしまった――決して結ばれることのない、禁じられた恋。
なぜならその唇には毒が宿り、彼女の唾液すら死をもたらす。
ひとたび口づけを交わせば、愛する者は醜く変わり果ててしまうのだから。

この悲劇が、香り「One Last Kiss」の魂。
ふたつに分かたれ、互いを求めながらも決してひとつになれない愛の香水。

香りは、淡く儚い光で幕を開ける。
ベルガモットが初恋のようにきらめき、ピーチが頬を染め、カシスが鼓動のように脈打つ。
それは人間としての愛の記憶――クラースエがもう一度夢見た、あの温かく柔らかな恋の香り。

やがて、香りは影へと沈みはじめる。
薔薇は艶やかに咲きながら、やがて静かに萎れてゆく。
シャクナゲの緑と煙がかった息が、生と死のあわいを漂わせ、
やがて“腐敗アコード”――禁断の肉体の気配が立ちのぼる。
ここに現れるのは香りの二面性。
甘美でありながらも、どこか不穏な美しさが心を惑わせる。

ラストノートでは、ラブダナムの重厚な樹脂、パチョリの闇の土気、シベットの野性的な鼓動が混ざり合う。
それは、交わることのない「最後の口づけ」の残響――獣のように熱く、悲しく、美しい余韻。

けれど、Spooky Punkの世界では、悲劇のまま終わる物語などひとつもない。
いたずら好きのLittle Batzyと、光る瞳のSee-Ewは、孤独なクラースエに手を差し伸べる。
彼らは彼女の呪いを恐れない。影と遊びに生きる者たちだから。
そして彼女は新しい愛の形を知る。
それはもはや叶わぬ口づけではなく、「共に生きる」喜び。

One Last Kiss――それは、永遠の別離ではなく、解放の物語。
悲嘆に沈んでいたクラースエは、いまや笑いながら仲間たちと踊る。
ネオンの月、パンクに照らされた空の下で。

この香りをまとうことは、彼女の再生をまとうこと。
かつて呪われた愛の精霊が、友情によって自由を得た、その瞬間の香り。
Spooky Punkの奇妙で美しいカーニバルに、あなたも。​

■ノート
トップノート： ベルガモット、ピーチ、カシス
ミドルノート： ローズ、シャクナゲ、腐敗アコード​
ベースノート： ラブダナム、パチュリ、シベット

■サイズ/規格
60mL/EDP

■製造国
タイ

■お手入れと取り扱い注意事項
直射日光を避け、温度の安定した場所に保存してください。また、開封後はできるだけ早めに使用をお勧めします。

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■その他の情報
香水は個々の肌質によって香りの感じ方が異なるため、試香の上でご購入いただくことをお勧めします。 商品に関する詳細やご不明な点は、ショップのお問い合わせからお気軽にご連絡ください。